ミラドライのブログ

ミラドライについてのあれこれ

ミラドライダブル照射の効果

ミラドライのダブル照射とは、ミラドライの1回の治療で照射を2回行うことを指します。「2パス」すると言ったり、「重ね打ち」と言ったりもします。

 

ミラドライダブル照射の効果は?

ミラドライの製造販売元の米国ミラドライ社は、シングル照射1回の治療ではなく、シングル照射2回の治療をお勧めしています。
その根拠となる臨床研究がこちらになります。

Chang YY, Chen CH, Hui RCY, Jung SM, Yang CH. A prospective clinical and histologic study of axillary osmidrosis treated with the microwave-based device. Dermatol Sin. 2015; 33(3): 134–41. https://doi.org/10.1016/j.dsi.2014.12.008

台湾の高次機能病院から2015年に出た臨床研究論文ですが、7人のワキガの方に2回ミラドライを受けていただき、治療前後で脇の皮膚生検し、組織標本がどのように変化したかを見た研究になります。

以下論文内容の引用になります。

治療前に左脇の中央から皮膚生検
1回目のミラドライ(ミラドライは初期の頃はよくレベル3で治療されていたため、レベル3)
3か月後に2回目のミラドライ(レベル5)。2回目のミラドライも全面に照射。
2回目の治療から30日後に、治療前に生検した場所から1㎝横の皮膚を生検
脇のにおいの自覚症状も10段階のスケール(10が最も強い)で評価し前後に比較

計2回のミラドライ治療の前後の皮膚生検の組織標本を比べると、アポクリン汗腺が平均93%減少
アポクリン汗腺の細胞が分かりやすくする染色をほどこしたものの写真は以下のとおり
(茶色に着色しているところがアポクリン汗腺
左が治療前、右が2回の治療後

広範囲ダブル照射でしっかり治療
2回のミラドライ治療後は、アポクリン汗腺が著しく減少しているのが認められます。

脇のにおいの自覚症状
6人がにおいのスケールで3段階以上減少(この論文内では3段階以上減少を効果ありと定義)
平均でにおいスケールが61.8%減少
脇のにおいの自覚症状減少度の図は以下のとおり
縦軸がにおいスケール(10が一番強い)、横軸は時間軸で30日後にかなり減少、90日後にやや戻っているが依然として治療前よりかなり低い。

広範囲ダブル照射でしっかり治療
 

以上で引用終わり

研究にリクルートした患者様の数は多くはないですが、全員治療の前後にほぼ同じ場所にて生検をし、実際に汗腺が減っているか確認しているという点では評価できる論文かと思われます。
同じ患者様で1回目のミラドライ後の生検もあれば尚良かったと思いますが、ともかく
2回の照射で、病理組織を見ると、かなりアポクリン腺が無くなっていることがお分かりかと思います。
「ミラドライはワキガには効かない!」などというネット上の書き込み等を見かけることがありますが、そんなことはないことがお分かりかと思います。
脇のにおいの自覚症状スケールについては、2回目の治療の前より後のほうが低く、
2回目のミラドライ後に、さらに脇のにおいの自覚症状が減っていることを示しています。

このような臨床研究結果から、米国ミラドライ社としては、シングル照射1回よりも2回をお勧めしているスタンスです。

日本の研究グループからは、ミラドライの1回の治療の中で1回照射する場合と2回照射する場合(ダブル照射)を比較している研究論文が出ています。

Hatano T, Fukasawa N, Miyano C, Wiederkehr I, Miyawaki T. Pathological changes in axillary hyperhidrosis and axillary osmidrosis induced by microwave treatment: comparison of single‐ and double‐pass irradiation. Lasers Surg Med. 2021;53(9):1220–6. https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/lsm.23412

この研究論文では、シングル照射5人とダブル照射5人の治療後の生検をしたところ、ダメージを受けた汗腺はシングル照射で平均73.2%、ダブル照射で平均92.2%であり、ダブル照射のほうがダメージを受けている汗腺の率が高かったと言っています(1個の組織標本中で見える汗腺のうち何個がダメージを受けているかで計算)。
ただ、シングル照射を受けた方とダブル照射を受けた方が違う方であり、違う人の間で組織標本を比較していることで個人差の影響が入ってしまっている可能性はありえます。
また、当時はミラドライの手順が改良される前の、テンプレートの後に麻酔をやる古いやり方であり(詳細は後述)、照射漏れがそれなりに生じている可能性があり、例えばですがシングル照射の標本で打ち漏れの部分が混ざった可能性など、打ち漏れの要素が結果に影響を及ぼしている可能性はありえなくはないです。
この研究では2パスの患者様も含め重大な合併症は生じなかったとしています。
この研究論文ではダブル照射のほうがより効果が高いのではないかと結論付けています。

https://www.clinic-n.com/

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